注文の画面で支払う額を見ると、商品代金の下にサービス料と送料の行が並んでいます。店まで歩いて受け取れば、この二行はたいてい消えます。そのかわり往復の時間と手間がかかる。デリバリーとテイクアウトの違いは、ほとんどこの一点に集まります。
とはいえ税率の話や、持ち帰りか店内かをいつ決めるのかといった決まりは、知らないと会計で戸惑います。このあたりは、出前館の公式発表と国税庁のQ&Aに書いてあります。
比べる物差しは三つ
手数料、消費税率、待ち時間。この三つは金額や時間で比べられて、しかも店や状況で差が出やすい部分です。味や気分の話は人それぞれなので、まずは数字で比べられるところから見ていくほうが決めやすいと思います。
| 項目 | デリバリー | テイクアウト |
|---|---|---|
| 送料・サービス料 | サービスによってかかる(出前館は2026年3月1日から商品代金+サービス料+送料の構成) | かからないのがふつう。容器代などを別に取る店があれば内訳に出る |
| 消費税率 | 飲食料品は軽減税率(酒類は10%) | 飲食料品は軽減税率(酒類は10%) |
| 待ち時間 | 調理の時間に配達の時間が足される | 調理の時間だけ。先に注文しておけば受け取るだけ |
| 移動 | 要らない | 店までの往復が要る |
| 温度と状態 | 配達の時間の分だけ変わりやすい | 受け取ってすぐなら変わりにくい |
出前館の料金の仕組み
デリバリーの手数料はサービスごとに仕組みが違い、率や上限は変わることがあります。出前館は2026年2月27日の発表で、2026年3月1日から料金を「商品代金+サービス料+送料」の構成に変えると案内しました。サービス料は商品代金に応じて変わり、支払う額は注文の手続きの画面で確かめられます。
発表では同じ日から送料無料も始めていて、終了の時期は未定です。今も続いているかは注文の画面で見てください。現金で支払う場合だけ、別に110円の手数料がかかります。サービス料の具体的な率は発表に書かれていないので、注文の画面の内訳で見るしかありません。
送料が無料でもサービス料は別です。商品代金だけを見て決めず、画面の支払額まで進んで確かめるのが、いちばん確実な手数料の調べ方です。
テイクアウトはこうした手数料がかからないのがふつうです。店によっては容器や袋の代金を別に取ることもあるので、気になる人はレシートの内訳を見ておいてください。
持ち帰りと出前は軽減税率、店内と酒類は10%
国税庁の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)の問57は、そばの出前や宅配ピザについて、顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けることは「食事の提供」には当たらず、「ケータリング、出張料理」にも当たらない、としています。出前は「飲食料品の譲渡」で、軽減税率の対象です。
令和9年3月31日以前の飲食料品の税率は8%で、店内での飲食(外食)と酒類はその対象の外で10%。国税庁の2年間の引下げのQ&Aにある図でも、テイクアウトと出前・宅配は飲食料品の側、外食と酒類は10%の側に置かれています。デリバリーもテイクアウトも、飲食料品としては同じ税率です。
送料は別の扱いです。問32は、飲食料品の譲渡に要する送料は飲食料品の譲渡の対価ではないので、軽減税率の対象にならない、としています。「送料込み商品」のように別に送料を求めない場合は、その商品が飲食料品であれば全体が軽減税率の対象です。
酒類は持ち帰っても10%
ビールや日本酒やワインは、持ち帰りでも出前でも軽減税率の対象の外です。同じ注文に料理と酒が入っていれば、税率は品ごとに分かれます。レシートで二つの税率が並ぶのは間違いではありません。
店内か持ち帰りかは、提供を行った時に決まる
同じQ&Aの問42はファストフード店のテイクアウトについての問いで、その飲食料品の提供を行った時において、その場で飲食するのか持ち帰るのかを相手方に意思確認するなどの方法で判定する、としています。Q&Aの言葉は「提供を行った時」です。
レジで「店内で? お持ち帰りで?」と聞かれるのは、この意思確認にあたります。聞かれたら、そのときの気持ちをそのまま答えればよい。提供を受けた後に気が変わったときの扱いは、店に相談するのが早いです。
令和9年4月からの持ち帰り・出前の税率1%
この先の話もあります。国税庁の「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)によると、令和9年(2027年)4月1日から令和11年3月31日までの飲食料品の譲渡の適用税率は1%(消費税率0.78%と地方消費税率0.22%相当)です。1%の対象とされる飲食料品の範囲は、令和9年3月31日以前に税率8%の対象である飲食料品の範囲と同様とされています(問1-1、問1-2)。Q&Aの図では、テイクアウトと出前・宅配は1%の対象、店内での飲食(外食)と酒類は対象の外で10%のままです。
ただ、これは令和8年9月15日に閣議決定された「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」の内容で、Q&Aの冒頭にも、法案が国会に提出され、成立した場合のものだと書かれています。決まったと言い切ることはできないので、実際にどうなるかは国税庁の案内で確かめてください。
| 本体1,000円の料理 | 店内で食べる | 持ち帰り・デリバリー | 差 |
|---|---|---|---|
| 令和9年3月31日まで | 1,100円(10%) | 1,080円(8%) | 20円 |
| 令和9年4月1日から(法案成立が前提) | 1,100円(10%) | 1,010円(1%) | 90円 |
表は本体の価格に税率を掛けただけで、端数の処理は考えていません。実際の税込の価格は店ごとの判断で決まり、本体の価格を変える店もありえます。ラーメンについて、店内・持ち帰り・出前・冷凍通販の場面ごとの税率はラーメンの店内・持ち帰り・出前・冷凍通販の税率を整理した記事(ラーメン広場)にあります。
もし成立すれば、持ち帰りと店内の差は20円から90円に開きます。1,000円の料理で90円なら、店で食べるか家へ持ち帰るかを考え直す人も出てきそうです。一方、デリバリーとテイクアウトの間で税率の差はつきません。そちらは今までどおり、手数料と手間の比べ合いです。
待ち時間の考え方
テイクアウトは、先にアプリや電話で注文しておけば、店に着いたときに調理が済んでいる形を作れます。待つのは受け取りのときだけです。デリバリーは調理の時間に配達員の到着と配達の時間が足されるので、合計は長くなりがちです。
昼と夜の混む時間や、雨の日は配達の側の時間が延びやすい。これは仕組みから見てそうなるだろうという話で、実際の分数はサービスの画面に出る目安を見るのが確実です。
どちらが向くかは状況で決まる
| 状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 外に出る時間も余裕もない | デリバリー |
| 手数料を一円でも抑えたい | テイクアウト |
| できたてをいちばん良い状態で食べたい | テイクアウト(受け取ってすぐ) |
| 雨や猛暑で外に出たくない | デリバリー |
| 何人分も一度に頼みたい | デリバリー(一度の注文で届く) |
手数料の額が決め手になる人と、時間の値打ちが決め手になる人とで答えは変わります。一人分を近くの店から、ならテイクアウト。家族の分を雨の夜に、ならデリバリー。自分の状況を表に当てはめるだけで、だいたい決まります。
こういう日は困る
- 商品代金だけを見て注文し、サービス料を含めた支払額に後で気づく。画面の支払額まで進んでから決める
- 酒類を含む注文で、料理と同じ税率だと思い込み、会計で税額が想定と違う。酒類は10%
- 持ち帰りの容器が温め直しに向かず、家で困る。気になるなら受け取るときに聞く
- 配達の目安を見ずに注文し、来客の時間に間に合わない。注文の前に画面の目安を見る
- 現金で払うつもりで出前館を使い、110円の手数料がついた。現金以外の支払いにする
注文の前に迷うこと
デリバリーとテイクアウトで味は変わりますか?
店と料理によります。時間がたつと食感が変わりやすい料理は、テイクアウトで受け取ってすぐ食べるほうが状態を保ちやすいです。
テイクアウトでも消費税は8%で確定ですか?
飲食料品なら軽減税率の8%、酒類は10%です。令和9年(2027年)4月1日から令和11年3月31日までは持ち帰りや出前の飲食料品を1%にする案がありますが、法案の成立が前提で、国税庁の案内で確かめてください。
デリバリーの手数料を安くする方法はありますか?
出前館の発表では2026年3月1日から送料無料で、終了の時期は未定です。現金払いにだけ110円の手数料がかかるので、現金以外で払えばその分は避けられます。サービス料は商品代金に応じて変わるので、注文の画面の内訳で見てください。
店内で食べると言った後にやっぱり持ち帰りたくなったらどうなりますか?
国税庁のQ&A(問42)では、飲食料品の提供を行った時に、その場で食べるか持ち帰るかを意思確認するなどの方法で判定します。提供の前なら、聞かれたときに持ち帰ると答えれば済みます。提供を受けた後の扱いは店に相談してください。
結局どちらが安いのですか?
手数料だけを見ればテイクアウトのほうが安くなりやすいです。移動の時間や交通費、何人分も頼むときの手間まで入れると、状況によって答えは変わります。上の表を目安に、自分の状況に当てはめて選んでください。
画面を閉じる前に
手数料は注文の画面の支払額で見る。税率は飲食料品なら持ち帰りも出前も同じで、酒類だけ10%。店内か持ち帰りかは提供を行った時の意思確認で決まる。この三つが分かっていれば、会計で驚くことはかなり減ります。令和9年4月からの1%は法案の行方しだいなので、国税庁の案内を折に触れて見ておくくらいでちょうどいいと思います。
出典
- 出前館「料金体系の変更について」(2026年2月27日発表。2026年3月1日からの商品代金+サービス料+送料、送料無料の開始と終了時期未定、現金払いの手数料110円)(2026年11月3日確認) https://corporate.demae-can.co.jp/pr/info/20260227.html
- 国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」問32(送料)、問42(店内飲食と持ち帰りの判定の時点)、問57(出前・宅配)(2026年11月3日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/03.pdf
- 「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和8年9月15日閣議決定)(2026年11月3日確認) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shouhizei_zeigakukoujo/pdf/sankou4.pdf
- 国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)冒頭の断り(法案の成立を前提とする旨)、問1-1(適用期間、消費税率0.78%と地方消費税率0.22%相当)、問1-2(1%の対象の範囲と図)(2026年11月3日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_qa.pdf
- 国税庁・財務省「消費税率引下げ特設サイト」(最新の案内の確認先)(2026年11月3日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/zeiritsuhikisage.htm
手数料の仕組みは変わることがあるので、注文の前に画面の内訳で確かめてください。
持ち帰りと宅配の記事
サービスの比べ方、出前館の使い方、弁当の選び方の記事です。