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中央線沿線のご当地グルメ・名物料理紹介

うどが白いのは、光を当てずに育てるからです。立川市のページにはそう書いてあって、地下3メートルの「室(むろ)」と呼ばれる穴ぐらの中で育てるのだそうです。旬は12月中旬から4月。冬の野菜です。

中央線沿線の名物というと駅前の店を思い浮かべがちですが、市役所のサイトをたどると、畑の側にも名物があります。立川の東京うど、国分寺の「こくベジ」。どちらも自治体が自分の言葉で紹介している名物なので、話の出どころがはっきりしています。

立川の東京うど、数字で見る今

立川で東京うどの生産が始まったのは、養蚕が衰えた昭和20年代。本格的になったのは昭和30年代に入ってからです。栽培の技術は武蔵野、小平、国分寺を経て立川に伝わりました。室を掘るには崩れにくい関東ローム層の地質が向いていた、というのが、立川でいちばん盛んになった理由として市のページに書かれています。

最盛期には80軒以上の農家で500トン以上を作っていました。いまは15軒で年間およそ52トン。立川市うど生産組合の会員は令和6年4月現在で15名です。

昭和40年代からは栃木などの高原に根株の栽培を委託して、連作障害が出やすいうどの優良な根株の確保と、早出しの生産に努めるようになったそうです。平成18年度には短めのうどを「立川こまち」の名でブランド化しています。

順位 市 令和4年産の収穫量 都内のシェア
1位 立川市 52トン 32.9%
2位 国分寺市 36トン 22.7%
3位 小平市 21トン 13.2%

上位3市を足すと、都内の収穫量の7割近くになります。立川と国分寺はどちらも中央線の駅がある市なので、沿線で冬から春にうどを見かけるとしたら、この数字が後ろにあるわけです。

500トンから52トンへ。数字だけ見ると寂しい気もしますが、15軒で都内の3分の1を支えているとも読めます。立川市のページには、市内の飲食店でも東京うどの料理が食べられるとあり、立川産の食材を使う店のパンフレットも案内されています。品書きにうどがあったら、作っている農家の少なさまで思い浮かべてみてください。同じ一皿の見え方が少し変わります。

国分寺の「こくベジ」は店で探す名物です

国分寺市の「国分寺三百年野菜 こくベジ プロジェクト」は、市内の農業と農畜産物を知ってもらうことと、市内の飲食店が考案した地場野菜のオリジナルメニューをPRして人を呼ぶことを目的にした取り組みです。

「こくベジ」は、国分寺市内の農家が販売を目的として生産した農畜産物の愛称。三百年前の新田開発のころから続く農地に由来することを伝えるために、「三百年野菜」をロゴに入れています。

定義を読む限り、特定の品種に付いた名前ではありません。市内の農家が売るために作った農畜産物をひとくくりに呼ぶ名前なので、季節で中身が変わるはずです。だから品種で探すより、店を調べるほうが早い。市は特設サイトで、こくベジのメニューを出す店と直売所、イベントの情報を案内しています。

国分寺では提供店を先に調べる
こくベジは市内の農家が売るために作った農畜産物の愛称なので、品種の名前で探しても見つかりません。市の特設サイトで提供店や直売所を調べてから出かけると、探す手間が省けます。

うどと違って、こくベジには決まった一つの旬がありません。春に行っても秋に行っても何かはあるはずで、そのぶん「今日は何があるか」を店で聞く楽しみが残ります。国分寺で店を探す目の付けどころは、国分寺エリアの隠れた名店グルメの探し方にも書いてあります。

荻窪の焼き鳥は、呼び名が先に歩いています

荻窪は焼き鳥の街と呼ばれることがあります。ただ、いつ、どうやって定着した呼び名なのかは、はっきりしません。飲み屋街の成り立ちや古い店の創業年も、語られる話はあっても裏づけが取りにくいところです。

由来がはっきりしないからといって、店の値打ちが下がるわけではありません。呼び名の由来より、一軒ずつの店の案内を見るほうが確かです。店の選び方は荻窪エリアの焼き鳥店の選び方にあります。

看板の地名だけでは、中身が分かりません

「○○ラーメン」「○○そば」のように地域の名前を掲げる料理は、沿線のあちこちにあります。地域の名前を含む商標には地域団体商標という仕組みがあって、登録をめぐって裁判になった例もあります。

喜多方ラーメンがその例です。組合が地域団体商標の登録を求めましたが特許庁で認められず、審決の取消しを求めた裁判でも、知財高裁は平成22年11月15日の判決(平成21年(行ケ)第10433号)で請求を退けました。理由は、「喜多方ラーメン」という名前が組合員の業務を示すものとして需要者の間に広く認識されているとはいえない、というものです。名前そのものが有名かどうかより、その名前を見た人が組合員の店を思い浮かべるかどうかが問われた、と読めます。

どの名称が登録されているかは、特許庁が公開している地域団体商標の登録案件の一覧で確かめられます。ラーメンで探すと米沢らーめん、和歌山ラーメン、笠岡ラーメンが載っていて、喜多方ラーメンの名前はありません。

店を選ぶ側としては、看板の地名だけで現地と同じ味を期待しないほうが落ち着いて食べられます。修業先や仕入れ先を書いている店のほうが、少なくとも情報としては確かです。地名が付いていても、その店の味として楽しめばいい。そう思って品書きを見ると、看板で決めつける癖が少し抜けます。

外しやすいところ

  • 旬を外して出かける。東京うどの旬は12月中旬から4月で、旬の外に期待しないほうがいい
  • こくベジを品種の名前だと思って探す。農畜産物の愛称なので、市の特設サイトで提供店や直売所を探す
  • 地名が付いた料理を現地と同じ味だと思い込む。修業先や仕入れ先の案内があるかを見る
  • 営業時間を確かめずに行く。個人店は営業時間が変わることがあるので、店の公式の発信を見る

うどのように旬がはっきりしているものは、旬の初めと終わりで出回り方が違うはずです。目当てがあるなら、旬のまん中あたりを狙うのが安全だと思います。

名物について聞かれそうなこと

東京うどはいつ食べられますか

立川市のページでは、旬は12月中旬から4月です。冬から春にかけての野菜です。

東京うどはどこで多く作られていますか

立川市のページにある令和4年産の収穫量では、1位が立川市で52トン(都内の32.9%)、2位が国分寺市で36トン(22.7%)、3位が小平市で21トン(13.2%)です。

こくベジは何を指す言葉ですか

国分寺市内の農家が販売を目的として生産した農畜産物の愛称です。市内の飲食店が考案した地場野菜のメニューを、市がプロジェクトとして紹介していて、提供店や直売所は市の特設サイトで探せます。

荻窪が焼き鳥の街と呼ばれる理由は分かりますか

はっきりした由来を示す資料は見当たりません。通称くらいに受け止めて、店は一軒ずつの案内で選ぶのが確かです。

ご当地名を掲げる店は現地と同じ味ですか

同じとは限りません。喜多方ラーメンの裁判では、市外で同じ名前を掲げる事業者の営業状況なども検討されました。名前が同じでも、出している店はさまざまです。修業先や仕入れ先を書いている店のほうが情報としては確かです。

旬を見てから店へ

立川の東京うどは都内の収穫量の3割を15軒で作っていて、国分寺のこくベジは市の特設サイトで提供店を探せます。看板の地名は、それだけでは中身を教えてくれません。畑の数字と店の案内、この二つを先に見てから出かけると、沿線の名物はずっと近くに感じられます。

出典

  • 立川市「東京うど【生産量都内1位】」(室の栽培、旬、生産の歴史、農家数と生産量、組合の会員数、根株の委託、立川こまち、令和4年産うど収穫量の表。表の元は東京都「東京都農作物生産状況調査報告書」令和6年3月、飲食店とパンフレットの案内)(2026年11月3日確認) https://www.city.tachikawa.lg.jp/sangyo/nogyo/1004072/1004090.html
  • 国分寺市「国分寺三百年野菜 こくベジ プロジェクトとは」(こくベジの定義、プロジェクトの目的、ロゴの由来、特設サイトの案内)(2026年11月3日確認) https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/culture-sports-tourism/machi/1012005/1013264.html 特設サイト https://kokuvege.jp/
  • 知的財産高等裁判所 平成22年11月15日判決 平成21年(行ケ)第10433号(「喜多方ラーメン」の地域団体商標をめぐる審決取消請求事件。請求棄却と、その理由)(裁判所ウェブサイトの判決要旨、2026年11月3日確認) https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-point_pdf-80839.pdf
  • 特許庁「地域団体商標登録案件一覧」(2026年9月30日現在の登録案件まで。米沢らーめん、和歌山ラーメン、笠岡ラーメン)(2026年11月3日確認) https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/shoukai/ichiran/index.html

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